4.東寺と弘法大師

東寺の歴史を語るうえで、弘法大師・空海(くうかい)の存在は欠かせません。単なる「創建者」ではなく、密教を日本に根付かせた宗教改革者であり、東寺を精神的中心とした稀有な人物です。

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4.1 空海と東寺の関係:なぜ東寺が密教の中心に?
■ 空海とは何者か?
空海(774年〜835年)は、平安時代初期の高僧であり、日本密教の開祖。後に「弘法大師(こうぼうだいし)」の名で知られ、今なお多くの人々に信仰されています。

彼は若くして唐(中国)に渡り、密教の正統を継承。帰国後、嵯峨天皇にその教義を評価され、日本における真言密教の開祖としての地位を確立しました。

■ なぜ東寺だったのか?
当時の平安京には、国家の守護を目的とした「東寺」と「西寺」という二大寺院が設置されていました。しかし、西寺はその後衰退し、東寺だけが残ります。

・823年、嵯峨天皇から東寺を下賜された空海は、これを真言密教の根本道場とし、講堂や仏像配置など自らの教義に基づいた寺院改革を行いました。

・東寺は、単なる宗教施設ではなく、「密教の教えを学び、体験し、悟る」ための場所として整備されました。

こうして東寺は、単なる「国立寺院」から「真言密教の聖地」へと生まれ変わり、現在に至るまでその役割を担い続けています。

4.2 東寺に残る空海ゆかりの伝説と足跡
東寺を訪れると、空海の霊的な存在を感じさせる数々の場所や伝説に出会えます。

■ 弘法大師御影堂(こうぼうだいし みえいどう)
・通称「大師堂」。空海が住まいとした場所と伝えられ、現在でも毎朝6時から「生身供(しょうじんく)」という供養法要が行われています。

御影堂

・弘法大師が今もそこにいると信じられており、非常に厳かな空間です。

■ 東寺の立体曼荼羅=空海の思想の結晶
・講堂にある21体の仏像で構成される「立体曼荼羅」は、空海の密教観を具現化したもの。
・東西南北に並ぶ仏たちは、それぞれ「智慧」「慈悲」「浄化」「守護」などの役割を持ち、仏教宇宙そのものを表しています。

■ 弘法大師と庶民信仰
・空海は庶民にも親しまれ、「弘法大師はどこにでも現れる」との言い伝えも数多く残っています。
・東寺では、空海にちなんだ年中行事や祈祷が現在も盛んに行われ、今なお「生きた聖人」として敬愛されています。

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